【北海道新聞に掲載していただきました。】

【北海道新聞に掲載していただきました。】

国外輸出事業についての記事を掲載していただきました。

【バンコク森奈津子】
札幌の水産卸業者が、道内で水揚げされた毛ガニなどの海産物を生きたままタイへ輸出し、販売量を伸ばしている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い一時中断したが、昨年9月に再開。日本食ブームを背景に、日本料理店だけでなく、富裕層の消費者が直接購入するケースも増えているという。

 この業者は札幌のカネイシフーズ(石崎圭介社長)。日本の海産物輸出が近年増える一方で、生きたままの輸出はタイでほとんどないことに着目した。

 同業の「マルサン三上商店」(札幌)と協力し、一昨年2月、新千歳空港発バンコク行きの直行便で生きた毛ガニやタラバガニ、アワビなどの輸出を始めた。輸送方法は発泡スチロールの箱に保冷剤と一緒に詰めるだけ。朝出荷し、夜にはバンコクに開設した直営店に並べることができた。

 コロナ禍の影響でバンコク行きの便が昨年3月に運休し、輸出停止を余儀なくされたが、夏に成田発の便が飛ぶようになると、同9月に再び空輸を再開。新千歳空港から空輸された商品を成田空港の保冷庫で一晩保管するため、到着まで2日弱かかるようになった。

 カニやホタテなど、長時間輸送に耐えられるものに絞ったが、売れ行きは好調。コロナ禍で海外旅行に行けない富裕層が自宅でぜいたくするようになったとみられる。現在は約180キロを月3回ほど出荷し、輸送費は1キロ当たり1200円程度。卸業者を通さず直販し、店頭価格を抑えている。石崎社長は「北海道が誇る味覚を最高の鮮度で届けたい」と意欲的だ。